紙しばいや もっちぃの思い
もっちぃの紙芝居を見ると「元気になる!」「パワーをもらえる!」 とよく言ってもらえます。
もっちぃの紙芝居は参加型が多く、紙芝居をしている時は自分が一番楽しんでお客様にも楽しさが伝わるようです。
私にとって、紙芝居に関係するすべての要素、「絵を描くこと」「演じること」「人前でフリートークで話すこと」「お話をつくること」「笑顔」は、これまでの人生でもっとも苦手とすることばかり。「自分自身を表現する」ということからまったく無縁の人生でした。私は人見知りで、おとなになっても心から笑うことができなかったのです。
そのため紙芝居に向き合うことが苦しくて苦しくて仕方ありませんでした。苦しいのは表現の要素だけではありません。紙芝居に向き合うということは、自分自身の生き方、逃げてきたことに正面から向き合うことだったのです。
「家族との関係」「自分自身の考え方の癖」「自己肯定感」「人と人との関係」。これまでなおざりに、見て見ぬふりをして済ませてきたことが、紙芝居に出会ったことでどうしても逃げることができなくなりました。
なぜなら、紙芝居は「人と人をつなぐ」ツールだからです。人にも自分自身にも裸の自分で真正面から向き合うことになるのです。
不器用で、折り紙の鶴も折れなかった自分が、オンリーワンの紙芝居を目指すためにやったこともないバルーンアートに取り組み、子ども時代からお絵かきが苦手なのに著作権の問題で仕方なく絵を描き始め、台本がなければ人前で緊張して一言も話せないのに演じるために台本を思い切って手放しました。
苦しくてもがきながら、トライ&エラーを繰り返し、それでも何かに憑りつかれたように紙芝居をやめることができません。何年も何年も徹夜で紙芝居に向き合う日々が続きました。きっとここで紙芝居から逃げたら、もう二度と人生を生き直すチャンスがないと感じていたからだと思います。唯一の命綱のように思えました。
「誰でもないオンリーワンの自分自身を認められる」紙芝居のとても尊い特性です。そしてまた「誰でもないオンリーワンの目の前にいるお客様を認める」ことができるのです。
CA時代に多国籍チームでフライトをし「多様性」と「おもてなしの心」を学びました。
オリジナルのバルーン紙芝居など進化した紙芝居を公演して紙芝居の可能性を追求する一方、黄金バットなど昔の肉筆街頭紙芝居を現代に合う形でリバイバルし、「守・破・離」の心意気で日本文化継承しています。
私がもがきながら紙芝居に連れてきてもらえた場所。
それは私を支えて応援してきてくれた周りの人たち、そして一期一会で知り合うお客様への感謝の心です。
自分自身のあるがままを受け入れることで、忘れかけていた笑顔を取り戻すことができました。
ペルーの紙芝居師ペペさんが、こんなことを私に言いました。「紙芝居は日本から世界へのギフトだ」と。
紙芝居は皆さんがまだ知らない、とてつもない力を持っています。
「平和と愛」
私の紙芝居を通じて皆さんの可能性を広げていただきたいのです。
紙しばいや もっちぃ
2023年2月8日
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